エコな素材で作るデザインTシャツ。途上国への貢献を掲げた小さなブランド「Viri Fide」の挑戦。

オーガニックコットンのデザインTシャツ「Viri Fide」をはじめたのは今から3年ほどまえ、僕がまだ乳製品の輸入商社で働いてたときにインドのスラムを見たこと影響しています。

せっかくなのではじめた経緯をもうすこし掘り下げて説明します。




インドのスラムで見た子どもたちの笑顔

トゥクトゥク(途上国でみかける三輪車タクシー。リキシャーともいう)でタージマハルの裏側に連れていってもらうときに、明らかにまわりとは違う雰囲気の小さなスラムがありました。ちょっと立ち止まり歩いてみると、飲料水だけでなくトイレも部屋の一角に穴を掘っただけで衛生環境はヒドい。生きることに必死で地元のトゥクトゥクドライバーでさえあまり近づきたくない現実を見たのがキッカケです。

 

そうした生と死のハザマともいえるような状況下にもかかわらず、そこには子どもたちの笑顔がありました。大人はふとはいってきた日本人にものめずらしさからキョトンとして、笑顔をみせるものあり、じーっとなにを考えてるのかわからないような眼差しあり、ドライバーのいうまま5分足らずでその場を後にしました。

 

ただそこで未来を感じました。あの子どもたちの笑顔にはまちがいなく未来があるし、その希望(実際には果てしなく遠い道のりなのかもしれないけど)にすこしでも役に立てないか。先進国で豊かにそだった僕はそうおもったんです。言い換えるとたんに僕のエゴですが。

 

世界では僕らが当たりまえのように経験する下痢で命を落とす子どもたちが150万人いるし、その原因となる水とトイレの状況も過酷を極めています。

 

先進工業国ではささいな問題に過ぎない下痢性疾患によって、毎年推定150万人の子どもたちが命を落としています。ユニセフ

 

世界の下痢性疾患による死亡の約88パーセントは、安全でない水、不適切なトイレ、劣悪な衛生環境に起因しています。2006年現在、世界で推定25億人の人々が適切なトイレを利用しておらず、開発途上国に暮らす4人にひとりは屋外で用を足しています。

 

もともと僕が大学で国際学部を選んだのも、世界のとりわけ貧困問題や環境問題に興味があったからですし、こうした国際的な社会問題というのはずっと興味があったんです。そしてインドでの一人旅で、スラムという現場をほんのちょっとだけ垣間見ることがあり、それまで持っていた想いが爆発したのです。

自問自答をくりかえす日々

コットン

ただ僕になにができるのか。そこから自分自身へ問いかけつづけ、本を読みあさり、オーガニックコットンのブランドを立ち上げるにいたりました。

というのも、僕らがふだんから着ている洋服の材料の多くはコットンですが、このコットンの生産には暗い影がひそんでいます。児童労働や薬剤使用による生産者の呼吸器疾患、どうしても農場での生産者にとっては厳しい現状があります。

 

とはいえ、すべてがすべてそうだってんじゃなくて、こうしたひどい状況でつくられるコットンも全体の数パーセント、いや0.1%といったゴクゴクわずかな量なのかもしれません。

ただそうしたことに関わってる可能性があるってすごく嫌じゃないですか?

もしかしたら僕が着てる服は、コットンを摘み取る農家の方の犠牲でなりたってるとしたら?

 

そうしたことを考えるだけで吐き気がしてきます。簡単に確認できるシステムが確立してればいいんですけどね。残念ながらそうした方法はいまのところありません。

 

そこでその解決策として出てくるのがオーガニックコットンという選択肢。
僕らの商品はインドのオーガニックコットンを使用して、メインのものは風力発電、ソーラー発電だけを利用する工場でつくられています。

 

オーガニックコットンの生産は農薬をつかわずにテントウムシに害虫を食べさせます。だから農薬を吸い込んで呼吸器系の病気になる農家の方はすくないんです。それに世界的なスタンダードとされるオーガニックコットンの認証マーク『GOTS』をとるには厳しい労働条件を守らなければならない。

このGOTSはスタッフが毎年農場を訪れてそうした基準が守られてるかを確認するので、生産者が過酷すぎる状況下で働かなくてもすむことが約束されています。

オーガニックコットンでのTシャツ作りから

と話がすこしずれましたが、途上国の人たちにすこしでも貢献するにはどうしたらいいか。これがブランド設立のスタートになっています。オーガニックコットンやエコ素材だけをつかうのはそうした理由があるためです。

 

もっともっとオーガニックコットンやエコ素材のアイテムが増えてほしい。そうした理由から、一般的に無地が多いオーガニックコットン品のなか、プリントデザインをのせたアイテムも積極的に作っています。もっと気軽な身近なものとしてエコ素材が選択肢のひとつになればいいなと。

 

ただアイテムを選んでもらうには着心地やブランドイメージなど、消費者にとって魅力がないとはじまらないので、僕らは試行錯誤しながら一歩でも前に進んでいきたいと思います。コットン生産の農家、工場で働く職人たち、流通で汗水流して働くいろんな方たち、Viri Fideのアイテムにかかわるみんなが笑顔であってほしい。ってね。